有名酒蔵が多い日本酒どころ・福島
東北は有名な日本酒の酒蔵が多いです。
特に福島は2012年~2020年における全国新酒鑑評会(日本酒のコンテスト)の金賞受賞酒蔵の数が日本一です(2019年は開催されていない)。
東日本大震災で深刻な被害から復興し、福島の酒造りは日々進化しています。
福島の酒蔵では県独自の酵母や酒米が開発され、個性ある酒造りが行われています。
それでは最近飲んだ福島の日本酒を紹介します。
だぢゅーロ万 純米吟醸 二回火入れ(花泉酒造合名会社)
・使用米/精米歩合
麹米 五百万石(会津産)/55%
掛米 夢の香(会津産)/55%
ヒメノモチ(会津産)/55%
・アルコール度数 15℃
・保存は15℃以下推奨
ヒメノモチは使用割合とお米の名前からもち米四段仕込みに使用されたと予想します。
2020酒造年度から精米歩合が60%→55%に変わり、より洗練された日本酒になりました。
その土地の米、水を使って地元の人間が伝統のもち米四段で醸すのがロ万のこだわりです。
精米歩合55%らしいスッキリした飲み口、後味にもち米四段由来のジューシーな甘さ。
香りは穏やかですがほのかにバナナ、メロンを感じます。
この日本酒は10℃くらいに冷やすか、常温がいいですね。
50℃くらいのお燗でもキレの良い旨味が感じられたまらないです。
天明 槽しぼり 純米火入(曙酒造株式会社)
・使用米/精米歩合
麹米 国産米(会津坂下産)/50%
掛米 国産米(会津坂下産)/65%
・アルコール度数 16℃
上記二つを踏まえ、飲み口は軽快に後味に甘さ主体のきれいな旨味の日本酒を表現したと予想します。
香りは穏やかですがほのかにバナナ、メロンを感じます。
この日本酒は常温~ぬるめのお燗がいいですね。
お燗は電子レンジでチンが簡単です。
ぬる燗のように微妙な温度調整が必要な場合は、50℃くらいのお湯を鍋に浅く張り、日本酒を入れた耐熱容器を浸けてゆっくり温度をあげることをおすすめします。
お湯をつくるのに手間がかかりますので、燗すけなら水を入れるだけで設定の温度まで上がりキープしてくれるのでとても便利です。
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天明 純米 亀の尾65 二回火入(曙酒造株式会社)
・使用米/精米歩合
亀の尾(会津坂下産)/65%
・酵母 協会9号
・日本酒度 -1
・酸度 1.63
・アミノ酸度 1.27
・アルコール度数 16℃
※酵母、アミノ酸度は曙酒造株式会社の公式facebookを参照
亀の尾は硬質で搾った直後はスッキリ、きれいな日本酒になりやすい酒米です。
熟成すると旨味が出てきて変化が楽しめます。
二回火入とありますが、火入は日本酒を加熱することで生酒を殺菌したり酵素の働きを停止したりする工程です。
日本酒の質の安定を図ることを目的としているのですが、曙酒造さんは違います。
火入をあえて二日連続で行うことで日本酒の熟成を狙っているのです。
飲み口は亀の尾らしいスッキリ感、二回火入によるものか後味にきれいな甘、旨、酸。
さらに熟成させたときの変化が気になります。
試しに燗をつけて冷蔵庫で急冷してみましたが旨味、酸味の角がとれて非常に飲みやすかったです。
おわりに
今回紹介した福島の日本酒はしっかり旨味を感じられるタイプでした。
旨味や酸味の強い日本酒は筆者の好むところですのでこれからもどんどん紹介していきます。
冒頭にも書きましたが福島は全国新酒鑑評会の金賞受賞酒蔵数が日本一のレベルの高い県です。
皆様もぜひ飲んでみてください。