日本酒のペアリングって何?ポイントを理解し、美味しく日本酒を飲もう。
ペアリングとは酒と料理を合わせることでよりおいしく食事を味わえるマッチング法です。
どんな組み合わせでも良いわけではなく、ある一定のルールに則ってペアリングすることで、単体で味わうよりもはるかにおいしさを感じることができます。
今回は日本酒を以下の4つのタイプに分けてそれぞれのペアリング方法について説明していきます。
ペアリングの基礎
ペアリングの大前提は味の濃淡を合わせることです。
そこから掘り下げ、香り、製法、温度帯、テクスチャーといった細かい要素を合わせることで、日本酒単独で味わうよりも、より食事を美味しく感じることができます。
味の濃淡を合わせる
濃い味の料理には味のしっかりした日本酒、薄い味の料理には味の軽いタイプの日本酒を選ぶと一体感が生まれます
香りの要素を合わせる
リンゴの香りの日本酒なら料理にリンゴを使うなど、日本酒と食材の香りを合わせると調和性が高まります。
テクスチャーを合わせる
とろっとした口当たりの日本酒にはとろみのある料理を合わせると一体感が増します。
温度帯を合わせる
それぞれの日本酒に合った温度帯にすることで美味しさ倍増。
ペアリングする料理の温度帯も合わせることでよりマッチング度が高まります。
食材のマイナス要素を包み込む
例えば日本酒には魚や肉特有の臭みを包み込む「マスキング効果」あります。
臭みを消すことで口の中に嫌な余韻を残さず、美味しさのみを残すことができます。
日本酒の4タイプの特徴
日本酒の4タイプの香りや味わいの特徴です。
これを参考にペアリングを試してみてください!
香り | 味わい | |
熟成タイプ | ナッツやドライフルーツ、スパイスといった力強く複雑な香り | 経年による甘味と旨味が凝縮し円熟した味わい |
旨口タイプ | 主原料の米や乳製品を思わせる香り | 米の旨味にあふれるふくよかで丸みのある味わい |
フルーティタイプ | リンゴやバナナといったフルーツ、花のような香り | 甘味があり、ジューシーで透明感がある |
軽快タイプ | 穏やかで控えめ。柑橘系フルーツやハーブ、ミネラル感あふれる香り | 清涼感があり軽快。キレが良く飲み口スッキリ。 |
ペアリングを向上させる酒器
口径のすぼまりが広めのタイプのグラス(上)と口径のすぼまりが狭めのタイプのグラス(下)でお酒を飲んでいる時の人の顔の向きに注目してください。
口径のすぼまりが広いタイプより狭いタイプの方が顔が上を向いています。
すぼまりによってお酒がなかなか下に流れてこないため、自らも顔を上げ迎えに行かなくてはならないからです。。
この顔の角度が味わいに影響を与えます。
口径のすぼまりが広いタイプ
舌とグラスが水平な状態になり、お酒は舌先に触れず、下の中央の広い部分に一気に流れていきます。
ボリューム感のある芳醇系の日本酒の特徴を感じやすいです。
口径のすぼまりが狭めのタイプ
お酒を飲むときに顔と舌が上を向きます。
お酒を飲むとまず舌先に触れ、中央を通って細く喉まで流れるため酸味やアルコール感を感じる面積が狭くなります。
すっきりした味わいの日本酒と相性が良いです。
すぼまりの部分に香りがとどまりやすく、フルーティな香りも楽しみやすいです。
温度で変化する日本酒の味わい
日本酒に含まれる有機酸の種類によって適温が変わってきますので指標の1つにしてください。
ただし適温を見極めるにはテイスティングするのが1番です。
生酒や高級酒をお燗にするのはもったいないという古い概念は捨てて様々な温度を試してみてください。
お燗について深く知りたい人はこちらも読んでください。
電子レンジでもおいしいお燗はつくれます。
日本酒を温める効果
日本酒をお燗にすると次のような効果が得られます。
- 苦み、渋みを感じにくくなる
- 甘味が増して、酸味がマスキングされる
- 味わいをまろやかにする
冷たいと酸味や苦みが悪目立ちする日本酒はお燗にしてみてください。
日本酒を冷やす効果
冷やす効果は
- 味わいをシャープにする
- 爽快感をアップさせる
- 甘味を緩和させる
甘ったるいなと感じる日本酒は冷やしてみてください。
ただし香りの高いタイプは冷やしすぎると香りを感じにくくなるので冷蔵庫から出して少ししてから飲むことをおススメします。
おわりに
今回、参考にした文献は「日本酒のペアリングがよくわかる本」です。
ペアリングは言葉で説明するのが難しいところがあり、実際に体験していただくのが1番です。
料理が苦手という人は日本酒をメインに扱っている居酒屋で頼んだ料理に合う日本酒を選んでもらうのも良いです。
いろいろ試しすぎると酔いがひどいことになりますのでほどほどにお願いします!
ぜひペアリングを試して日本酒の深い世界を楽しんでください!!