楽しいお酒ブログ

日本酒を主体にお酒を気軽に楽しむブログです。お酒の銘柄や知識について初心者でもわかりやすく発信しています。

日本酒のラベルには何が書いてあるのか

1 日本酒のラベルには情報がたくさん

 

日本酒を買いに行くとスーパーやコンビニですら棚にたくさんの日本酒が陳列されていて何を基準に選んだらよいかわからない方は多いのではないでしょうか?

 

僕はラベルから読み取れる情報を参考にすることがあります。

 

下の写真をご覧ください。

 

福島県の曙酒造株式会社「天明 槽しぼり 純米火入れ」のラベルです。

 

上が表、下が裏です。

 

裏にはその日本酒の情報がたくさん記載されています(特に黒枠の部分)。

 

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それぞれの用語を順を追って解説していきます。

 

その前に一つ気になることが。

 

下の写真のには一番大きな文字で「清酒」と記載されていますがこのお酒は「日本酒」ではないのでしょうか。

 

 

結論から言いますと、どちらも中身は同じお酒なのですが、定義に若干の違いがあるようです。

 

辞書によると日本酒は「日本古来の酒。清酒合成酒、みりんなど」、清酒は「水と米を原料に使用した濁っていない酒」と説明されています。

 

清酒は日本酒の一部なのですね。

 

一方で国税庁は「『清酒』とは、海外産も含め、コメ、米こうじ及び水を主な原料として発酵させて濾したもの、『清酒』のうち、『日本酒』とは、原料の米に日本産米を用い、日本国内で醸造したもののみを言う。」と定義しています。

 

どちらにも共通しているのは水と米を原料(米こうじも原料は米です)にしている酒ということですね。

 

ただ辞書の定義ですと、日本酒に焼酎や合成酒なども含まれてしまい区別しづらいので、この記事では国税庁の定義する酒を日本酒と呼ぶことにします。

 

まとめ
米、米こうじ及び水を原料として発酵させて濾したものが「清酒」、その中でも原料を日本産に限定したものを「日本酒」という

 

2 日本酒の専門用語を解説します

 

2.1 製造者

そのお酒を製造している会社の名称です。

 

会社名とお酒の名前が同じ場合が主でしたが、最近はセカンドブランドとして全く別の名称で販売する酒蔵さんが増えています。

 

日本酒を買い慣れていない方はまずは耳にしたことがある銘柄を選ぶのも良いかと思います。

 

有名銘柄は人気があり、入手困難な場合が多いですが…

 

また、会社名と共に住所が記載されています。

 

県や地方ごとにお酒の味に特徴やクセがあり(新潟は淡麗、西日本のお酒は濃い口のなど)、それを基準にするのも面白いですね。

 

ただ、現在は技術が進み、地方ごとの特徴というのも一概に言えなくなってきていますので、そのあたりは別記事で書かせていただきます。

 

2.2 原材料

 

米、米こうじ、醸造アルコール(写真のラベルには記載されていません)が主ですね。

 

今回は米は国産米としか表示されていませんが、品種を明らかにしている酒蔵もあります。

 

有名どころですと山田錦、五百万石、雄町などなど。

 

僕のイメージですと五百万石は淡麗、雄町は濃厚、山田錦はその間くらい。

 

自分の好みと合うお米を使った日本酒を選ぶのもアリですね。

 

2.3 精米歩合

 

写真のラベルには精米歩合65%と記載されています。

 

精米歩合はお米を精米して(削って)残った部分を表す数値で、35%削って残った部分を日本酒の製造に使用していることになります。

 

一般的には小さければ小さいほどスッキリし、大きければ大きいほど芳醇な味わいになりやすいです。

 

スッキリした味わいの方が飲みやすそうと日本酒初心者の皆様は思われたでしょう。

 

悲しいことに精米歩合の小さい日本酒は値段が高い場合が多いです。

 

お米を削れば削るほど労力も時間もかかります。

 

お米が削られ小さくなるほど、つくることができる日本酒の量は少なくなります。

 

どの酒蔵さんも精米歩合の小さい日本酒は高い値段で売らざるを得ないのです。

 

2.4 アルコール度数、日本酒度など

 

「アルコール度数」は日本酒に含まれるアルコールの割合になります。

 

この数値が大きいほどビリビリと刺激的な味わいになりやすいです。

 

上の写真にはありませんが、「日本酒度」という甘辛を表す数値も記載されていることもあります。

 

マイナス、プラスで表しますがマイナスほど甘い、プラスほど辛いのが一般的です。

 

ごく稀ですが「酸度」という言葉が載っていることがありますが、文字通り数字が大きいほど酸味が感じられます。

 

2.5 その他

黒枠以外の部分にはそれぞれの酒蔵さんからのメッセージが書いてあったりします。

 

写真のラベルからは地元のお米を使って丁寧につくった日本酒であることが読み取れます。

 

いかにもおいしそうですよね!

 

表のラベルのカッコよさや裏のメッセージを読み直観で購入することを「ジャケ買い」と個人的に呼んでいますが(ジャケット買い、略してジャケ買い)、」意外とおいしいお酒に出会えることが多いです!!

 

3 普通酒純米酒?名称による違い

 

写真の表ラベルには「純米 火入」と書いてあります。

 

純米は純米酒であることを指しています。

 

他に普通酒という名称もありますがどのように違うのでしょうか。

 

3.1 普通酒とは

 

米、米こうじ、水及びアルコールを原料とした清酒、もしくは米、米こうじ、水、アルコール、糖類、有機酸及びアミノ酸塩などを原料とした清酒です。

 

米、米こうじ、水及びアルコール以外は原料とせず、使うアルコールが醸造アルコールで、使用量が一定条件を満たす場合や、精米歩合の違いによっては本醸造吟醸酒と別の名称で表記することが可能です。

 

3.2 純米酒とは

米、米こうじ、水のみを原料とした清酒を指します。

 

普通酒と同じく、精米歩合に違いで名称を変えることが可能です。

 

普通酒との違いはアルコールが原料に入っているか否かですが、そもそも日本酒ってお酒だからアルコールが含まれていて当然ですよね。

 

どういうこと?と思われる方もいるかもしれませんが、簡単に言うと発酵の過程でつくられたアルコールか後から入れたものという違い。

 

わかりづらいかと思いますが、複雑な内容となるので別記事で語らせていただきます。

 

まとめ
普通酒・・・米、米こうじ、水及びアルコールが原料                  純米酒・・・米、米こうじ、水が原料      

 

4 日本酒を買って呑んでみよう

 

ここまでお付き合いありがとうございます。

 

皆様のお酒選びに少しでもお役に立てたら幸いです。

 

今回の記事だけでは日本酒選びに自信が持てない方も多いと思います。

 

そのようなときは、地酒専門店に行きますと知識豊富な店員さんにお任せするのも良いですね。

 

専門店なんて言いますと身構えてしまうかもしれませんが、そこは接客と日本酒のプロ、押し売りなどせず、お客様に合わせていろいろ薦めてくれます。

 

ここで1つだけ頭の片隅にでも残していただきたいことがあります。

 

ラベルの情報を参考にしようと言いましたが、最も大事なのは日本酒をおいしく楽しむということ。

 

「このお酒は日本酒度がプラスだから辛いのか。甘いお酒が好きだからやめておこう」、「お米は五百万石だから淡麗だな。雄町のように芳醇でないと合わない」

と情報ばかり気にしていると良酒との出会いを逃してしまいます。

 

日本酒度がプラスでも甘い日本酒、五百万石を使用しても濃い口。

 

不思議なことにそんな日本酒もあります。

 

それは酒蔵さんの技術や創意工夫の賜物ですね。

 

そこが日本酒の奥深いところ。

 

そんな面白い日本酒を今後紹介していきます。

 

懐事情は豊かではないので一升瓶で1500円~3000円のものが中心です。